旅について
私にとって旅というのは、気分転換をするということに他なりません。
自分の家にいるというのは自分の体を休めたり、ゲームなどの個人的なことをしたりするための場所であって、まさにプライベートな空間に身を置くことです。私のように、一日の中で一人の時間というものが必要な人間にとっては、絶対的な空間です。
ただ、たとえば喫茶店のような空間であっても、人と関わりを持たないのであれば、それほど苦痛というわけではありません。
ですから、たとえ旅先で多くの人がいるところに行ったとしても、人との関わり持たなければそれほど苦痛にはなりません。
自分という存在が、日常と違う場所に立っている、というのが気分転換になるのです。
勿論気の許せる存在が一緒なのであればそれほど苦痛ではありませんが、仕事で人間と出張、というようなものであれば、それが旅であっても苦痛です。
そういう人間ですから、基本的には私の旅は一人旅です。旅先で人に会う、というのはかなりレアなもので、例えばここ二年はいけていない福岡のどんたくで以前放送されていたFMラジオのリスナーさん達と会う、というようなものでなければ、まずあり得ません。
ですから、今回の奈良旅行はかなりレアなケースになります。
今回の奈良行きは、第一の理由はPen and message.店主の吉宗氏が奈良の万年筆店で調整サービスを行うのを応援しに行きたい、と思ったからです。私にとって万年筆というのは人生になくてはならない存在になりましたが、このPen and message.は万年筆人生にとって欠かせない存在です。
勿論万年筆店はここ一つというわけではありませんし、ここでしか万年筆を買わない、という高い忠誠心があるわけではありません。しかし、万年筆との関わりにおいて、中心的な位置を占めることには違いないと思います。
そんなお店の店主である吉宗氏が新しい試みに取り組まれていて、ひょっとしたらこの先のPen and message.という店の在り方が変わる第一歩になるかもしれないイベントの中で、唯一私が参加できそうだったのが、この奈良での万年筆調整イベントだったのです。
その場に行ったからといって何かがわかるのか、それは自信がありませんでしたが、少なくともイベント参加者の一人にはカウントしてもらえるだろう、それくらいの意義はあるだろう、と思って、5時起きで家を出たわけです。
行って何かメリットがあったかと、イベントに対する吉宗氏の考えの一端は教えていただきましたし、新しい万年筆とノートに出会うこともできました。丁度奈良で行われていたGPSゲームのイベントでポイントを稼ぐこともできましたし、iPadPro用のスマートキーボードを買うこともできました。
意義のある旅、であったと思います。
旅とは気分転換です。そして、何か新しいものに出会い、新しい自分を発見、創造することです。そんな旅をたくさんしたいな、と思います。